Faily Tale


あたしが向かった先はトイレなんかではなく、屋上。

いつもはしまってるけど鍵はあたしが持っている。

右目にかかった眼帯をはずす。

いつから笑わなくなったんだろう。

いつから泣かなくなったんだろう。

いつから感情を邪魔だと思うようになったんだろう。

うまれてまだ16年。

たかだか16年。

それでもあたしがいろんなことを知るには十分な年月。

あたしのこの右目を見て家族は何て言うのだろう。

あたしの右目は緑色をしている。

それだけならいいのだが、変な模様が入っている。

カラコンをしてもその模様だけは残る。

だから、あたしは眼帯をしている。

そして、この瞳は不思議で攻撃の軌道が読める。

どうやって対処すればいいのか判断できる。

便利だけど、見た目はあまりよくない。