Faily Tale



家を出るとそこにはいつもどおり聖史(サトシ)の姿があった。


「おはよ。」


「ん。」


短く返ってくる言葉。


「朔弥ーっ!おいてくよーっ!」


玄関から叫ぶ。


「すぐ行くって。」


バタバタと足音がして朔弥が出てきた。


「おはよう。」


「おはよ。」


朔弥にはちゃんと挨拶するのにな、こいつは。


3人仲良く(?)歩きながら登校する。


こんなんはいつもの光景。


あたしたちが通うのは近所の中高一貫の私立高校。


もちろん、昇降口も一緒なわけだ。