Faily Tale


校舎に大きな穴が空き、大きな妖が暴れまわっている。

その下には朔弥が倒れていた。

「朔弥っ!?」

『感情は刃を鈍らせる』

感情に身を任せてはいけない。

これは、あたしが祖父から教わったこと。

まず、落ち着こう。

「結界っ!」

いつもより大きめ。

暴れまわる妖にも耐えれるように。

この前はだめだった。

でも、今回は必ず。

呪文を唱えて印をふむ。

速さはいつもの倍、いやそれ以上。

あたしだって分かってる。

あたしに気力が残っていないことくらい。



それでも、あたしは正統後継者として

朔弥を守り抜いてみせる。