Faily Tale


「それより、ウラが華弥をここまで運んでくれたんだけど昨日の傷がしばらく癒えなさそうだから治るまで仕事は禁止ね。」

事務的に淡々と述べる彼。

「その間は俺と兄ちゃんでやるから。心配しないで。」

「・・・うん。」

「じゃあ、もう時間だから。」

彼が言うので時計に目を向けると7時半。

飛び出るようにベッドから降りた。

「―――ッ!」

「ほら。怪我してるんだって。」

手を差し伸べてくれる彼。

そうでした。

さっき言ってたことなのに忘れていた。

「困ったことあったら遠慮しないで言ってね。」

あたしを支えながら彼は言った。