Faily Tale


・・・でかい。

想像していたのよりも遥かに。

いつもは自分と同じか、ちょっと高いか低いかくらいの妖だったからかもしれないけど。

校舎の2階分を越える体。

「結界っ!」

あたしとそいつを結界で囲う。

「大丈夫か?」

「・・・ハァ・・・ハァ・・・」

「結界はるだけで疲れるな。」

サイズがサイズなんだからしょうがないでしょう。

正統後継者だからってこんなに大きい結界張ったことない。

印をふんで呪文を・・・

「ごあーーーっ!」

「―――ッ!」

妖は大きな声をだしてあたしに突進してきた。

「華弥、大丈夫か?」

足に激痛が走る。

そのせいで結界が不安定になり、とうとう壊れてしまった。

「かっちゃんっ!」

「来るなっ!」

ウラの声が聞こえたが、それを遮る。

急いで印をふんで呪文を唱える。

だんだん意識が遠くなるのは自覚していた。