俺だけ何も知らない。
今日の依頼がどれだけ大変だったか。
「説明する。」
出てきたのは奏夢だった。
「今回の援助内容は2人を引き離すこと。」
「・・・?」
何を言い始めるんだか。
「夫婦という関係にある2人だ。」
「うん。」
そういう類の依頼なら普通にあるはずだ。
どっちかが能力者でどっちかを監禁したりするパターンだ。
「で、俺たちはそういうのに慣れてる。」
まあ、片方が成り下がるとか普通にあるだろうしな。
「あいつらは初めてだったんじゃないのか。
そういう、誰かから大切な人を奪うって。」
「あー。」
確かにそうかもしれない。
だからちょっとショックをうけているわけか。
「・・・乃愛、こういう依頼だって援助のうちだろ?」
「そうだけど・・・やっぱ誰かの大切な人を奪うなんて。
あと、誰かがあたしの大切な人を奪うなんて。
自分の気持ちに、もっと正直になろうと思って。
いつ、陸翔があらしの傍から離れていっても。」

