Faily Tale


学校に入ってきたとたんに飛びついてきた妖を抱き上げる。

「いいじゃん。かっちゃん。」

「結・・・」

「華弥さん。」

言い直されて続きを言うのをやめた。

「よしよし。」

そいつの頭を撫でながら

「何かいた?」

「いや、今日はいないと思うよ。」

「そう。ならいいか。」

「だから、遊んで。」

「嫌。寝る。」

「かっちゃ~ん・・・」

遠くの音が近くで聞こえるようになる。

ザワザワと遠くで話している妖の声。

木の葉が風に揺れる音。

キーンと高い音が鳴って

何かが近づいてくる。