Faily Tale


「陸翔っ!?」

驚いたような兄さんの声。

「お久しぶりです。」

珠も言う。

「乃愛、見ましたよね?」

息が切れている。

「7階だと思います。」

珠が教えてくれ、また走り出す。

彼らは何かの訓練場に行く途中なのだろう。

俺にも経験がある。

俺は1ヶ月、ここで訓練した。

幹部になるため、

自立するための訓練。

それをこのままでは乃愛もやるのだろう。

俺はそれを阻止しなければいけない。

何があっても、絶対に。