Faily Tale


「命令だった。」

・・・命令?

それは俺が禁忌を犯そうとしているから?

まだ彼女にも言ってないのに俺は彼女から離れなきゃいけない?

「今すぐ華弥か朔弥呼べる?」

彼女の顔には少しだけ焦りが見える。

俺は携帯で朔弥を呼び出した。

彼女たちの高校はここから割りと近い。

『アクマ?』

俺がスケッチブックに書くと彼女は頷いた。

でも、目は合わせてくれない。

なんだか、気まずい。

彼女のうつむいた目はそう言っている。

いつだってまっすぐ前を見つめていた彼女が少し後ろめたそう。