Faily Tale


「兄さん、もう満足でしょう?」

陸翔が言う。

俺の目線に合わせるように。

俺の顔をのぞき込むように。

「乃愛。」

彼が呼ぶと彼女は月姫たちと少し言葉を交わしてこっちに来た。

「どれだけ人を傷つければ気がすむの?いつも自分が傷ついてるみたいな顔して。」

「乃愛…」

「陸翔は黙ってて。」

「乃愛、目覚めた。」

月姫のパートナーが言う。

「ん。異常は?」

「ないはず。」

「月姫、まだ口の中に錠剤あるなら吐き出しな。自分のは食べておくといいと思う。体力の消費激しいから。」

彼女は頷いた。