「陸翔先輩、話つけてくればいいじゃないですか。」
余りのような男がいう。
陸翔は頷いた。
「ちょっと話せる?無理強いはしないから。」
遠慮がちに言った。
「いいよ。」
彼は嬉しそうに顔を綻ばせる。
昔はその顔が好きだったんだよな。
ふと思い出した。
後ろで言霊を玩ぶ。
さっき陸翔の口から出たものだ。
こんなもんでいいかな。
「なーんてね。」
俺はその言霊を彼に向けて投げつける。
「結界!」
それを寸前で女が止めた。
気づかなかった。
あいつは陰陽師。
陸翔が一度俺に負けてから一番に誘いにいったやつだ。
それにあっちにいるのは弟か。

