「乃愛?」
ノックもせずに昼前に彼があたしの部屋に入ってくる。
「ん?」
「何してんの?学校は?」
「まあ、いいかと思って。」
「まあ、いいけど。」
「陸翔はどこに行ってた?」
彼はゆっくりとあたしのベッドに座った。
それは相変わらずベッドの上でクッションを抱っこして座っていたあたしの横だった。
「・・・協会。」
「協会?」
「うん。」
あたしが協会の存在を知ったのはこのときだった。
「能力者を集めてるところ。」
「何してきたの?」
「昨日の兄さんの話と俺の立候補と乃愛の話。」
「あたし?」
「うん。4つの道具を使いこなせて自分の能力も目覚めてるなんて珍しいんだ。」

