あたしの名前は華弥(カヤ)。
徒歩圏内の私立高校に通う1年生。
幼なじみに聖史がいて、弟に朔弥がいる。
ブレザーの制服のポケットにつけているピンは絶対になくしてはいけないらしい。
そして常にお札を持ち歩いている。
理由は1つ。
あたしが陰陽師だから。
あたしの一家は陰陽師一家だ。
もちろん、朔弥も。
生まれた子供の中に100年に1度正統後継者がうまれることがある。
あたしがまさにそれ。
あたしが見てきたところによるとそれは歴代男であった。
兄ちゃんか朔弥がなるはずであったのだ。
曽祖父が88歳のときにあたしは産まれた。
朔弥が生まれたのはその2年後。
今まで正統後継者が女であったためしはない。
曽祖父は朔弥を可愛がった。
いろんなことを教えた。

