Faily Tale


「誰のですか?」

「純血吸血鬼、インネの殺害許可です。」

「純血はあなた含めて3属しかいない。それを殺したいと?しかもインネの家系はあと1人。」

「分かっています。でももう有能なハンター家は1つもありません。その最後の奏夢の家系を破滅させたのがインネだと分かれば、いくら純血で珍しいと言っても危険なことが分かるでしょう?」

「たしかに危険ではあるが、だからと言って。」

「インネを放っておくのですか?あたしにはそれは得策には見えません。なぜ対吸血鬼本部でありながら、純血の吸血鬼を守ろうとするのですか?」

あたしにはそれが1番分からない。

吸血鬼が純血を守ろうとするのは戦いに発展したときに有利になるからだ。

しかし、こっち側には純血を残しておくメリットはない。

「純血のあたしに言えないような事情でもあるんですか?」

「月姫がいいなら構わない。インネを殺すと女の純血の吸血鬼はお前だけになる。何を意味するかは知っているはずだ。」

これだから面倒くさい。

要するにあたしが純血の吸血鬼の子孫を残すために好きでもない相手との子供を産まなければいけない、と。

これはあたしの独断。

彼には話していないし、どうするかも話していない。

争いは好まない彼。

でも、自分の両親を奪った相手が分かってもそうなのであろうか?

あたしだったらその人を許さない。

たとえ、自分より強い人であっても。

あたしを守って死んでいった両親の敵討ちは果たしたい。

でも、彼はそれを望むのだろうか。