「姉ちゃん、聖史が困ってるよ。」
朔弥の声と海の頭突きで起こされた。
「あー、ごめん。」
時計を見ると時刻は5時。
授業が終わってから1時間半ほど。
聖史が待ってろとか言うから。
寝ちゃったらしい。
「帰ろうか。」
あたしがかばんをつかんで言う。
「うんっ!」
朔弥が嬉しそうに言う。
ちょっとシスコンなんだよな・・・
「で、肝心の聖史は?」
「昇降口にいるって。」
ピン―――――
「姉ちゃん・・・」
「分かってる。結界。朔弥、絶対動くんじゃないよ。」
こくっと頷いたことを確認して走り出す。
「分かってると思うけど・・・」
海がしゃべりだす。
「昇降口だろっ!?」
窓から飛び降りてそこに向かう。
そこには案の定聖史がいた。

