「……え!?」 春が来たみたいに。 ぱっと花びらが開いてく。 「だめかな?」 「わ、私も。一緒にいたいです」 そう言い、ぺこりと頭を下げる。 どうして、終わりなんて考えたんだろう。 去ってしまおうとしたんだろう。 きっと、独り散るのが怖かった。 ただの臆病者。 悲しみに埋もれてしまうだけ。 美しい終わりなんて、私には無理なのに。 「よかった」 優しく笑う花のような彼と。 これから過ごす時間の意味を。 ずっと一緒に、探していきたい。 end