──美しい終わりなんて、存在するのだろうか……─



ぼんやりと窓際の座席の彼を見ながら、そう思った。


花がしぼんで朽ち果てていくように。


私たちの恋も、枯れていく。


別れが来る予感は。


なんとなく、わかるものだ。


それならいっそ朽ち果ててしまう前に。


綺麗な花のまま。


ただ、静かに去っていきたい。