「それにしてもお嬢様。
何故お嬢様のようなお方が普通の公立高校に通い、
そのように振舞っているのですか?」
「そのように」というのはきっとこの地味な服装や態度のことだろう。
『ふふ。秘密よ。』
なんていってみるけど、別にたいした理由はない。
・・・・ないんかい!?
自分でつっこみたくなるほど、面白くもなんともない。
「おっしゃってくださらないのなら、
いいです。」
ちょっぴり拗ねたように黒影が言う。
執事としては、マイナス点なのだろうけど、
私は完璧な者より幾分好きだ。
『そう。なら言わないわ』
心底楽しそうに言ってみた。
ミラーを見ると、黒影も笑っていた。
