「でも!リアっていう存在はみんなの憧れなんだよ。」
「そんなこと言っても私はリリィが…気に入ったんだもん。」
「なんで?」
「だって、今まで私に、みんな遠慮して…人気者っていったって、そうせみんな上辺だけ。それがすごくすごくつらかった。」
「そんなことないよ。リアは人気者だよ。私、街でいっぱい話聞くもの。」
「ありがとう。でも、私聞いちゃったんだ。」
「なにを?」
いつのまにか、リアはぽつ、ぽつ、っと涙をこぼしていた。だから私はぎゅ。っと抱きしめた。「大丈夫。大丈夫。」っていいながら。
「リアってさ、あの容姿と王子様の注目がなかったら、ただの奴だよねー。って。」
「でも、リアの容姿はみんな認めてるじゃない。」
「そんなこといっったて、リリィにはわからないよ。」
「わかるよ!私は…ずっっと独りだった。髪の色も違う。それに私は奴隷。わかる?私はみんなからみたら、キタナイの。」
「汚くなんか!」
「(首をゆっくり横に振る)それが世間ってものだよ。リアは認められてて私は認められてない。」
そんなとき、がたっ。と音がした。
「帰ったぞ、出迎えは!さっさとしろ!」
「はい。今すぐ。」
「遅い!」
頬を叩かれる。『ぱちん!』と鈍い音がした。
「すみません、すみません。」
私は叩かれた頬を手で押さえながら謝る。
「まぁ、いい。」
「こんにちわ。」
リアが愛想笑いでこっちにきた。リアの今の表情かわいくない…。
「こんな奴にお客か?」
「えぇ、リアと申します。」
「リ…ア…?あぁ、あの娘か。」
また、リアはニコっと笑う。でも心から笑えてない。そんな気がした。
「リアさんがこんなところになにかようですか?」
「えぇ、リリ…0・17を買いに来ました。」
「こんな出来損ないを?」
「できそこな!…えぇ、そうですよ。」
「まぁ、いいでしょう。こいつは使えないから売ろうと思ってたんですよ。」
「では。いくらで?」
…こんなやりとり聞きたくない。自分がお金で決まる…。すごく辛い…。お金…そうだ、私は奴隷。リアと話してて忘れてた…奴隷。ドレイ。どれい…。
考え事をしていて時間がたったのだろうか。
「さ、0・17、帰るわよ!」
「はい。ご主人様。」
「元。にはごあいさつ!」
「あ、はい!。今までお世話になりました。」