《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

だけどあたしには、とても
決めちゃうことなんてできない。



モデルなんてあたしには
途方もなさすぎるし、自分
からやりたいと思ってる
わけじゃないんだもの。



『とりあえず、開けろ』



不機嫌に言われて、あたしは
急いでオートロックを解除した。



切れる前のインターホンから
カツカツと踏み入る足音が
聞こえる。



しばらくしてあがってきた
洸さんと瀬戸さんを、
あたしはぎこちない動作で
迎え入れた。



「おはようございます仁科さん。

もしかして、寝てないですか?

目が赤いですけど……」


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