《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

だけど止まることを知らない
時間は待ってくれるわけも
なく―――部屋のインター
ホンが、ピンポーンと鳴った。



「―――――っ!!」



間違いない。



洸さんは――本当に、来たんだ。



(どうしよ……どうしたら
いい?)



心臓が早鐘のように
打ち出してる。

秋だっていうのに、体が
熱くなってきた。



――ピンポーン、ピンポーン!



あたしが応答しないから、
急かすように連続で鳴る呼出音。



そしてその次にはとうとう、
携帯電話も鳴り出した。


相手が誰かなんて、見る
までもない。


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