《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

(変われるなんて、無責任に
言わないでほしいよ……)



きっとあたしには、
その言葉こそ禁句。



洸さんがあんなこと言うから、
呼び覚まされてしまったの
かもしれない。



―――あたしの中で
眠ってた、凍りついた思い。



忘れたはずの……
“変わりたい”って、思いが。




「洸さんの……バカ……」




重みで閉じてしまった雑誌の、
表紙で笑う不敵な笑顔に。



小さく責める言葉を落として――

あたしはその顔を、そっと
指先でなぞった――…。





     ☆☆☆☆☆



_