《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

思わず抗議に近い目線で
洸さんを見るあたし。



だけどそんな眼差しにも、
洸さんは迷うことなく即答する。



「さっき言っただろ。

――オレが、お前を
気に入ったからだよ」



「気に入ったって………」



嘘だよ。モデルってどう
考えたって、綺麗で華やかな
人がすること。

そう……まさに、洸さん
みたいな。



あたしはメイクもして
なければ、髪も無造作に
後ろでくくっただけの、
本当に“ダサすぎる”って
言っていいほどの人間だ。



(こんなあたしの、何を
気に入ったって言うのよ……)


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