《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

「……………っ」



―――見られてたんだ。

あの後の、あたしの
ボロボロな姿。



洸さんも思い出したのか、
そこで初めて短い沈黙が流れる。



静寂を破った洸さんは、
言葉を考えながら話すように
ポツリポツリと、



「お前、ふさぎ込んで、
見た目も変わってて……

どれだけ傷ついたんだろうって
気になって仕方なかった。

けどあの時のオレには、
声をかける勇気もなくて――
結局卒業まで、何もできな
かった」



「洸さん………」



思わず声が漏れる。



――信じられない。

それじゃあ洸さんは、卒業
してしまうまでずっと、
あたしを見てくれてたの……?


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