《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

……そうだったんだ。



普通の挨拶を交わした
記憶があるけど、洸さんは
最初からわかってたんだ――。



「それ以来、水瀬の……いや、
お前のことが気になってた。

アイツの本性を知れば相当
傷つくのが、目に見えてたから。

そしたら案の定、数週間で
お前はもう姿を現さなくなった」



……そうだ。

あの事件をきっかけに、
あたしは先輩をひたすら
避けたから。



「理由を聞いても水瀬は
“合わなかった”としか
答えなかったけど、どうせ
本性がバレたんだろうと
思ってた。

だから校内で、お前を探したよ。
様子を見たくて」


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