《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

「オイ、千夜子? とにかく
開けろって言ってるだろ?」



洸さんのイラ立った声が
聞こえる。



だけどあたしは体に力が
入らないのと、自分の酷い
顔を想像して、開けるのを
ためらった。



短い沈黙で洸さんは諦めたのか、
ハァッと荒い息を吐いて、



「――ったく。どうせまた
勝手にマイナス思考に入って、
泣きくれてたんだろ」



「……………」



さすがは洸さんだ。

……まさに、図星。



再びの沈黙で洸さんは答え
までも察して、返事を
待たずに話を続ける。


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