《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

やがて日は真上から西に
傾き、夕暮れが訪れる。



そのまままた、暗鬱とした
夜を迎えるんだろうと
思ってた、まさにその時――…。




――――ゴンゴンッ。




いきなり空気を震わせた
大きな音に、あたしは文字
通り飛び上がって驚く。



(な、何―――…!?)



一瞬なんの音かわからなかった。


でも、すぐにもう一度
ゴンゴンという音と共に、



「開けろ、千夜子!
いるんだろ?」



(洸さん―――っ!?)



ようやく気づいた。

音は、玄関のドアを叩く音だ。



洸さんが、ドアの外にいる――!?



(ど、どうして………!?)


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