《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

……結局あたしは、練習に
行かなかった。



でも、開始時間になっても
携帯はピリリとも鳴らない。



もしまだあたしに居場所が
あったなら、『なぜ来ない?』
って電話がかかってくるだろう。



(やっぱり………)



悲しい疑念が、確信に変わる。



――つまりそういうこと。

あたしは、クビ。



やっぱり、ダメだった……。



あたしはベッドのシーツに
顔を押しつけて、声も殺さずに
延々泣いた。



泣きすぎて声が枯れかけても、
それでもかまわずいつまでも
泣き続けた。


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