(………クソッ……!)



それどころじゃないのに。


一刻も早く、千夜子の所に
行かなくてはいけないのに。



しかし――次に瀬戸が発した
言葉で、洸の動きも止まる。



「お前が“TOLIS”の話を
棒にふったら、仁科さんが
続けてきた努力も無駄に
するんだぞ。

それでもいいのか?」



「………………っ!!」



――いいわけなんてない。



洸ははやる心を抑えるため、
強く奥歯を噛んだ。



(千夜子―――…!)





     ☆☆☆☆☆


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