だけどそんなものは
どうでもいい。



状況を理解した今、すぐに
でも千夜子のもとに駆け
寄りたかった。



「…………っ!?」



だが、ステージに目を戻すと
すでにそこに千夜子はいない。


奥に戻ってしまったのだろうか。



(だったら――…)



ステージ裏に回ろうと
考えたが、そんな洸の腕を
瀬戸の手がガッシリと掴んだ。



「……さすがにマズイぞ、洸」



「彰? 離せ―――」



「そういうわけにいくか。

お前はこっちを片付ける
のが先だ」



マネージャーの厳しい顔で、
瀬戸がピシャリと言い放つ。


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