どうして目に留まって
しまったのか。

決して、今見たい顔じゃ
ないのに。


ううんそれどころか――
もう二度と、見たくない
顔のはずなのに。




……あたしが見つけたのは、
水瀬先輩の方だった。



他のスタッフに紛れて
立ち、ニヤニヤ笑いながら
あたしを見てる。



何だかまるで、おかしな
ものでも見てるみたいな
表情だった。



『ガラにもないことしちゃって』



……そんなふうに、
言ってるみたいな。



(あ…………)



グラリと、視界が揺れた。


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