ふと、洸さんの顔を
見たくなった。



会場のどこかで見てて
くれる洸さん。
彼の姿を見たい。



(どこ―――…?)



今日は本番と同じ状態に
なってるから、暗い会場に
ステージだけ瞳を刺すような
強いライトがついてる。


だから逆光がすごくて、
会場の人の顔を判別するのは
かなり大変だった。



それでもあたしはどうしても
洸さんの位置を確かめたくて、
笑顔を振りまくフリを
しながら、一生懸命その
姿を探した。



でも―――皮肉にも、
あたしが見つけたのは別の顔。


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