(来た―――…!)



いよいよ、あたしの番だ。



あたしはステージの袖で
最後の気合いを入れ、
一歩を踏み出した。



(大丈夫、何度も練習した。

そのとおりにやればいいのよ)



この時かかってる曲も、
何歩くらい歩くかも、もう
全部頭に入ってる。


ほら……そう、こんなふうに。



あたしは歩く。



心臓はバクバク音を
立ててるし、頭は痺れた
みたいにジンジンしてるけど……

でも平気。あたしはできる。


だってあたしは、
変わったんだから。




(洸さん……見てて
くれますか……?)


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