《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

(洸さん………)



こんなふうに言ってもらったり、
わざわざ時間を空けて見に
来てくれるのは嬉しい。



何もなければきっと大声で
『ありがとうございます!』
って言えたんだろうけど……

でも残念ながら、そんな
気分にはなれなかった。



洸さんにはなんの関係もない。

だけど水瀬先輩のことで、
あれ以来どうしても心が
沈んでしまってるから。




『…………? 

どうした、元気がないな?』



でもやっぱり、電話ででも
洸さんはすごく鋭い。

あっという間に見抜かれて
しまった。


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