《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

     ☆☆☆☆☆



『明日のリハーサルは、
オレも見学する。

お前の時間に合わせるから、
朝迎えに行ってやる』



そう洸さんから電話が
あったのは、リハーサル
前夜の8時くらいのこと。



今はもう昼間もずっと
レッスンだから、付き人は
できてない。

だから、声を聞くのも
数日ぶりだった。



「え……でも、仕事は
大丈夫なんですか?」



戸惑って尋ねると、洸さんは
こともなげに鼻を鳴らして、



『前もってわかってたから、
明日は最初から空けてある。

“TOLIS”の重役に見せるに
ふさわしい仕上がりか、
オレが見ないわけに
いかないだろ』


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