《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

「―――やめてっ!!」



もうそれ以上聞いてられなくて、
あたしは絞り出すように叫んだ。



先輩は驚いてギョッと
目を見開く。



でも、すぐにその目を細め
顔をしかめると、



「……なんだ。相変わらず
おカタいんだ。

昔とぜんっぜん変わって
ないんだな」



――吐き捨てるように、
そう言った。



そう――あの時と同じ
ように、舌打ちをしながら。



「………………っ!!」



氷像が金づちで殴られたら
こんな感じだろうか。



ピシッとヒビが入って、
そこから粉々に割れて、
崩れ去る。


――そんな錯覚を覚える。


_