《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

だからこれが審査であることは
極力考えないようにして、
とりあえずステージを成功
させることを意識しよう。



そう思って、あたしはフェスの
顔合わせや練習にも、真剣に
取り組んだ。



そんな、ある日――…。




「ねぇねぇっ、洸さんが
来てるんだって!」



出演モデルのほとんどが
顔をあわせてる賑やかな
楽屋で、同じ事務所の先輩が
入ってくると同時に言った。



ここ数日は、段取りを覚える
ための練習が、実際の会場で
毎日行われてる。



モデルも複数の事務所の
人間がごちゃ混ぜだけど、
うちの事務所の人が一番多い。


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