ふいに、頭のてっぺんに フワリと暖かいものが触れた。 くすぐったいそよ風のような 流れと、柔らかな感触。 ……髪にキスされたんだって、 だいぶ時間がたってから気づく。 「洸さん………」 不思議な胸の高鳴りを 感じながら、あたしは思った。 ――このキスは、洸さんが あたしの頭に乗せてくれた、 見えないティアラなのかも しれないって――…。 ☆☆☆☆☆ _