《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

それだけが理由じゃなかったの?



昔の彼女だからって、どう
して言ってくれなかったの?



……聖恋さんの言った
ことは……本当、なの――?




「あたし……最低……!」



低い声が、無意識のうちに
喉をつく。



(信じれてないじゃない。

少しも……!)



わかってた。



あたしはもう、洸さんを
疑ってる。



あんなに信じてたはずなのに……
聖恋さんの告白で、いとも
簡単に打ち破られて。



疑ってる。

彼があたしに言ってくれた
言葉の全て。

見せてくれた、真剣な眼差し。


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