《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

これ以上何も考えたくなかった。



考えても、次に思い出すのは
聖恋さんの言葉ばかりで……

その度にまた、あたしの
胸は杭を突き刺されたように
激しい痛みに襲われる。



『あたし達、つき合ってたの』



『噂にならない、どうでも
いい女を選んだだけなのよ』



――――嘘、ウソ。



『嘘だと思うなら、
本人に聞いてみれば?』



―――本当なんですか、洸さん。


聖恋さんと……つき合って
たって。



(そんなこと、一言も
言ってくれなかった。

ただモデルとして、彼女の
美しさじゃイメージキャラは
務まらないって言ってた
のに……)


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