《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

いつまでたっても注文を
言ってこないから、さすがに
おかしいと思ったんだろう。



「あ、すみませんっ。

あの、えっと……!」



ごまかそうにも、なんて
言えばいいのか。



さらにパニックに陥り
かけた時、ヒロムさんが
柳沢さんに向かって、



「悪い。ちょっと道を
尋ねてるだけなんだ」



とても嘘とは思えない
自然な口調で、サラリと
そう告げた。



「あ、そうでしたか」



柳沢さんは納得して
仕込みを再開する。



「……す、すみません……」


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