《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

「………………っ!!」



言葉は一言も出せなくて。


――視界が徐々に、
ぼやけてきた。



「やだ、泣かないでよ。

あたしは本当のことを
教えてあげただけ。

だってこのまま話が進んだら
確実に仕事はコケちゃうし、
あなただって恥ずかしい
思いするじゃない?」



親切で言ってあげてる、とでも
いう感じで、作ったような
困り顔をする聖恋さん。



「……………っ」



必死で涙を堪えるあたしに、
彼女は最後にこう言った。



「事実がわかったら、あなたも
無謀な夢を見るのはやめて
さっさと辞退しなさい。

あたし以外務まるわけ
ないんだから。最初から、ね」


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