《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

「………………」



疑う余地もない。


聖恋さんが事実に気づいて
しまってるのは、もはや
明らかだった。



そしてきっと、今あたしが
こうして強張った顔で黙り
込んでることで、確実にもう
確信を与えちゃってるだろう。



(どうしよう……。

それじゃそれを知って、
聖恋さんはあたしに会いに
来た……?)



彼女の意図はなんなのか。



はっきりとはわからないけど、
彼女の態度を見る限り、
どう考えても好ましい方向
じゃないだろう。



背中をさらにいくつか
冷たい筋が伝い、口の中が
カラカラに乾いてるのがわかる。


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