見ず知らずのその人は
まっすぐあたしに駆け寄ると、
乱暴に腕を掴んで引いてくる。



「ちょっ……やめてください!」



「お静かに。ここで人目に
つけば、遊佐君にも迷惑が
かかることになりますよ」



「え…………!?」



洸さんの名前を聞いて
ギクリと動揺が走る。



その隙に、男の人は強引に
あたしを車まで引っ張った。



近づくと今度はスライド
ドアが中から開き、聖恋さんが
自らあたしを引き入れる。



わけもわからぬまま、
あたしは乗ってしまい――

そしてすぐに戻った運転席に
よって、車は即、発車した。


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