「――信じられないか?

自分のことが」



その問いかけに、申し訳ない
とは思いつつも、あたしは
頷いた。



「ごめんなさい……でも……」



「――そうか。それなら
もう一度、アイツらを
ちゃんと見ろ」



そう言って洸さんが示すのは、
今もまだ必死にレッスンを
続ける志願生達。



「特に……そうだな、
アイツとか」



(え――あのコ――…?)



それはさっき、振りが
覚えられてないって先生に
怒鳴られてた女のコだ。



どうやらダンスはあまり
得意じゃないのか、今の
曲も、ちょっともたついてる
ように見える。


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