《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

でも、そんなことを教える
ためだけに、わざわざここ
まで連れて来る意味って
あるだろうか。


洸さんだったらそんなのに
時間をかけるより、『今すぐ
追加レッスンだ!』って
言いそう……。




「コラ。ちゃんと見てろ」



鋭く言われてハッと顔をあげる。


考えにふけってレッスンを
見てなかったの、バレバレ
だったみたい。



「ご、ごめんなさい」



遠くに行ってた意識を引き
寄せて、とりあえずあたしは
もう一度生徒達をジッと眺めた。



洸さんの思惑はわからない
けど、出来る限り集中して
レッスン風景を観察する。


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