《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

……今日がパンツスタイルで
よかった。

もしスカートだったら、
本当にどうなってたんだろう。



「――力を抜いて、楽に
してろよ」



ほんの少し高い――でも
思ったよりグッと近い所から
洸さんの声が降ってきて
ドキッとした。



だけどその直後、ふくら
はぎに指と掌の感触を感じて、
心臓はさらに大きく跳びはねる。



「オイ、動くな」



「す、すみませんっ」



ビクッと体を震わせない
ように、あたしはグッと
両手を握りしめた。



力を抜いて楽に、なんて、
できるわけない。


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