《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

そう思ってたんだけど――
その後洸さんのメイクが
終わると、璃子さんには
電話が入ってきてしまった。

彼女のプロデュースで
出してる化粧品があって、
その関係先からの電話らしい。



「仕方ないな。彰――…」



洸さんが壁際に控えてた
瀬戸さんを呼んで、あたしに
マッサージしてやれって
頼んでくれたんだけど――。



「申し訳ない。実は僕も、
ちょっと用事が」



「用事? 何だ?」



「今から専務に電話を。

撮影の間に済ませてしまう
つもりでこの時間に決めて
あるから、そろそろかけないと」


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