(ど、どうしよう……
なんか……)



――心臓が、ドクドクしてる。



もちろん今少し走ったから
とか、そんなんじゃなくて……。



「……オレを待たせるのは
お前の特技だな」



皮肉たっぷりに言う洸さんの
顔が、恥ずかしくて見れない。



「―――行くぞ」



ごく自然にそう言って再び
歩き出した洸さんの後を、
あたしはただ黙ってついて
いった。



鳴りやまない激しい鼓動に、
一生懸命『静まれ静まれ』と、
となえながら――…。





     ☆☆☆☆☆



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