「いいよ千夜子ちゃん。

洸、あれで実はカワイク
なった千夜子ちゃんを
相当気に入ってるの。

――洸が、一緒に帰りたい
ってことなのよ」



「えっっ!?」



あんなすました無表情で、
偉そうに命令してる感じなのに?



「ま、まさか……」



「そうなのよ。かーなり
気に入られちゃってるね、
千夜子ちゃん。

私らは洸とつきあい長い
から、よくわか――」



「――オイ、何を話し込んでる!

さっさと来い、千夜子!」



「はっ、はいっ!!」



ピシャッと飛んだ声に首を
すくめ、璃子さんの笑い声を
背中に聞きながら走り出す
あたし。


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